- ラピス
- 「じゃあ、はい」
私はシェルに向かって手を差し出した。
- シェル
- 「……なんだ、この手は」
- ラピス
- 「握手よ。人間界では、和解するのに握手をするんですって」
- シェル
- 「…………」
私が知っているぐらいだから、シェルだってこの習慣を知っているだろう。
なのに彼は驚いた様子で、私の手を凝視している。
- ラピス
- 「嫌なの?」
- シェル
- 「そ、そうじゃない!……でも、ひ、人前で手を繋ぐ、とか……」
正確には手を繋ぐとは違うと思うのだけれど、
シェルは意外と照れ屋のようだ。
私はシェルの手を掴むと、半ば無理矢理握手を交わした。
- ラピス
- 「はい、これで仲良し」
- シェル
- 「バ、バ、バカじゃないのか?」
真っ赤になって振りほどこうとする手を、私は強く握った。