- ラピス
- 「開けてもいい?」
- 光希
- 「もちろんだよ」
ピンク色の薄い紙の包みの中から、
さっき私が一目惚れした王冠のネックレスが顔を出す。
- ラピス
- 「やっぱりとても可愛いわ。ありがとう……」
- 光希
- 「つけてあげる。後ろ、向いて」
後ろを向いて髪を横にまとめると、
光希はネックレスを付けてくれた。
- 光希
- 「……あ……ちょっと待ってね、髪が絡んじゃったから……」
- ラピス
- 「……っ」
首筋に光希の息がかかり、
くすぐったいような気持ちがいいようなおかしな感覚に身をよじる。
- 光希
- 「ごめん、痛かった?」
- ラピス
- 「ううん、違うの。大丈夫」
ネックレスをつけてもらっている間、
私は後ろから伝わる光希の吐息を
体温だけを感じていた。
指先がふいに首筋に触れる度、
身体の奥がぴくっと小さく反応してしまう。
あと少しで私のすべてが溶けてしまいそうになった時、光希が身体を離した。