- ??? 「これ、落ちましたよ」
- ラピス
- 「あ、ありがと……!?」
小瓶と受け取ろうとした手を思わず止める。
そこにはベンチの後ろに隠れるようにしゃがみ、
手だけをにょきっと出す男性の姿があった。
- ラピス
- 「え、あの……」
どうしてこんなところに隠れているのかわからず、
戸惑ったままの私に彼が微笑みかける。
- ???
- 「これ、君のだよね」
- ラピス
- 「あっ……は、はい、ありがとうございます」
小瓶を受け取り、首からかけ直して
服の中へと滑り込ませる。
こんなに大切なものを落としたりしたらいけない。
- ???
- 「可愛い瓶だね。何を入れるためのものなの?」
- ラピス
- 「……ううん、特に目的があるわけじゃないの。ただ、綺麗だから持ってるだけで」
どうしてこんなことを聞かれるのかわからなくて、私は少し警戒しながら答えた。
- ???
- 「そうなんだ。瓶に変わった模様が入っていたから、
アンティークものかなと思って興味があったんだ」