私は袋の中からもうひとつジェリービーンズを取り出した。
- ラピス
- 「ねえ光希、口を開けて」
- 光希
- 「え……?」
- ラピス
- 「いいから、早く」
- 光希
- 「う、うん……」
開いた彼の口の中に、ころんっとジェリービーンズを放り込む。
- 光希
- 「んっ……!」
サクッと、光希がそれを噛んだ音がした。
- 光希
- 「わ……おいしい。果汁がぎゅっと詰まったゼリーを固めたみたい」
- ラピス
- 「ね!」
- 光希
- 「はあ……でもびっくりした、君って強引だね」
- ラピス
- 「そうかしら」
- 光希
- 「でも……そのぐらいの方が楽しいよ」
- ラピス
- 「ふふっ」
光希が楽しいと言ってくれるだけで、楽しくなってしまう私がいた。